中央アフリカの内戦スラム街バンギの悲惨な実情を知る

アフリカの中でも注目されることの多い南部や北部、東部の国々に比べて、西部と中央部の国々は誰からも見向きもされない存在だ。中でも中央アフリカ共和国の現状は悲惨の極み。世界でも最悪クラスの貧困と虐殺が今なお起きている。

中央アフリカの首都バンギは究極の場所。その悲惨な実態に迫っていこう。

中央アフリカの歴史と貧困問題


by hdptcar

中央アフリカは他のアフリカの国々と同じく、長く欧米による植民地支配の時代が続いた。この国はフランスが支配し、現地の黒人たちは奴隷として強制労働を強いられた。そんな暗黒時代が1960年まで続いたのだ。

独立後もこの国の悲惨な歴史は続いていく。誕生した指導者はことごとく無能な独裁者で、自らの利益のために国全体をめちゃくちゃにしていった。これに対抗して武装グループがクーデターを起こせば、政府軍も対抗して人を殺していく。

もともとこの国には南部と北部、キリスト教とイスラム教、親フランス派と反フランス派など対立軸が数多く、指導者たちは人々の対立を煽ることで自らの支持に繋げようとした。

結果的に中央アフリカ共和国の政情は何十年も回復することがなく、対立と殺人が繰り返されてきたのだ。元領主のフランスも表向きは中央アフリカを支援しているが、現実には裏から対立を煽り、自分たちの利益へ誘導している。

何しろこの国の地下には豊富な天然資源が眠っており、将来の金がかかっているのだ。そのためにフランスも指導者も国民のことなど考えず、どうすれば自分が富を独り占めすることができるかだけを考えている。

彼らの犠牲になるのが貧しいスラム住民たちだ。首都バンギは町全体がスラム以下の様相となっている。

バンギスラムの生活と犯罪


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様々な場所から集まった人々が密集して暮らすバンギは、いつも対立と憎悪の舞台となる。イスラム系武装集団はキリスト教徒が住む地域を無差別に襲撃し、強盗、殺人、レイプ、放火などあらゆる暴力で集落を壊滅させる。

これに対抗するのがキリスト教徒の武装集団だ。彼らもやられた以上の行為を復習としてイスラム教徒の集落に仕返し、憎悪の連鎖によって暴力は過激になっていく。バンギでは食人行為すら行われているという

市民自らの暴力と破壊により、町全体のインフラが破壊される。多くの地域で上下水道や電気すら遮断され、人々は原始時代さながらの暮らしを強いられる。住民の糞尿は垂れ流し状態なので、衛生環境は常に最悪レベル。

エイズやコレラ、マラリアなどの感染症は常に蔓延しており、新生児死亡率も驚異の水準。ただしこの国の実情を考えれば、なにもわからない赤ちゃんのうちに死んでおいた方が幸せなのかもしれない。

この国の破壊と暴力の連鎖は2019年の現在においても進行しており、ある街では1万人以上の市民全員が難民となって非難したことで、街ごとゴーストタウンになってしまった場所もある。

ちなみに外務省の安全情報によると、中央アフリカは国内全域がマックスのレベル4。何があっても渡航はできない状況だ。「この国の現状を目で見て確かめたい」なんて決して思わないほうがいい。

中央アフリカを描いた映画はない

ここまで悲惨な中央アフリカの現状も、メディアに取り上げられることは一切ない。凄惨な事件が繰り返されるのに映画の舞台になることはなく、ただ誰にも知られずに人々の苦しみが続いていく。

この国の現状を映像で確かめたいなら、VICEジャパンによるドキュメンタリーを見ると良い。ユーチューブで気軽にみられるその映像は、想像を絶する悲惨さを教えてくれる。