シエラレオネのエボラスラム街フリータウンの悲惨な実情を知る

みなさんはシエラレオネという国について何をご存知だろうか。最近では「国旗がファミリーマートに似ている」としてSNSで話題になったりしたが、現実はそんな笑いごとからは想像もできないくらい酷い状況だ

この国を襲った血の歴史は、今も人々の暮らしを苦しめている。その現状に深く迫っていこう。

シエラレオネの歴史と貧困問題


by Development Planning Un

西アフリカの沿岸部に位置するシエラレオネは、他のアフリカの国々と同様に、悲惨な植民地支配の歴史を持っている。この国はイギリスが支配し、奴隷制から解放された黒人たちの居住地として開拓された。

独立したのは1961年になってからのことで、国としての歴史は極めて短い。そんな短い歴史の間に内戦が頻発し、多くの命が失われた内戦の原因は主にダイアモンドだ

不運なことにシエラレオネではダイアモンドの大規模鉱山が発見され、その利権をめぐって政府軍と反乱軍が常に争ってきたのだ。政府軍は国の歳費を内戦につぎ込み、反乱軍はダイアモンドの密輸出で戦費を確保。こうして内戦は長期化、大規模化していった。

国民同士の争いにより、国中の道路や水道、電気などインフラは完全に破壊されつくされる。2002年に国連が介入することによってようやく内戦は集結したが、そのころには国としての機能が完全に失われるほどの状況。ダイアモンドの密輸出でほとんど掘りつくされてしまっていた。

国内経済など農業か漁業しかない中で、無策な政府のせいで物価が高騰する。すると地方部の農民や漁師たちは普通に生活することすら不可能になり、わずかな希望を求めて首都フリータウンに集まる。こうして大規模スラムが形成された。

フリータウンの生活と犯罪


by UNMEER

フリータウンのスラムは基本的に不法占拠によって形成されている。簡素な小屋に何十人もの人が同居し、人と人との距離はいつもゼロといえるほど人口密度が高い。当然上下水道など完備されていないので、住民たちの糞尿は垂れ流し状態。コレラなどの伝染病が常に蔓延している。

スラム内には警察でさえめったに立ち入らないため、実質的な無法地帯となる。強盗や殺人など日常茶飯事で、死体が転がっていても誰も驚かないほどだ。女性の人権などこの国には無く、10代前半でほとんどすべての少女がレイプ被害にあう。

2014年に西アフリカ諸国で大流行したエボラ出血熱は、フリータウンでも猛威を振るった。人口過密で病気の知識も無く、衛生状態が最悪のフリータウンはエボラにとって天国のような場所。

彼らは感染者の死体を素手で触って埋葬するため、エボラ感染者は爆発的に拡大していく。正しい知識を教えようとビラを配布していた人がリンチ殺人に合うなど、エボラに伴う悲惨な事件も続出した。

2019年になってもエボラの驚異は完全に終わったわけではなく、スラム内では現在でも死者が続出。加えて断続的なマラリア被害も大きく、結果的にシエラレオネの平均寿命は世界でも断トツの最下位。平均寿命は46歳だ。

シエラレオネを描いた映画

シエラレオネでのダイアモンドを巡る戦いを描いた作品なら「ブラッド・ダイアモンド」が有名だ。しかしこれはあくまでもサスペンス映画。実情を深く知りたいならあまりおすすめはしない。

それよりも下記のようにユーチューブに上がっているドキュメンタリー作品のほうが有用だろう。気軽にみられる映像の中には悲惨の限りが詰め込まれている。視聴の際には心の準備をして望んでほしい。